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プロが解説:うまく説明できないときに気をつけるべき3つのコツ

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一般社団法人コミュニケーションマイスター協会理事/ 元早稲田大学非常勤講師/ CU代表  これまで大手企業や大学などで、ロジカル・コミュニケーション、対人対応、ビジネス英語、ライティング研修などを約5000人に指導してきた。
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なぜ、うまく説明できないのか?3つの理由

私はこれまで5000人あまりの方々にコミュニケーションを教えてきました。
そこで多くのお悩みを聞いてきて「うまく説明ができない理由」は主に3つに集約できると思います。

それは
1 話す内容の情報が足りない
2 自信がない、相手の反応が悪いので焦ってしまう
3 話がまとまらない  です。
どれかしら、に当てはまりませんか?

1つずつみていきましょう。

1 話す内容の情報が足りない

これはそもそも話をしようにもその内容についての情報を十分に持っておらず、何をどこから伝えるのかわからない状況です。

例えば、私は車の免許証も持っていません。ですから、興味もあまりありません。

そんな状況で「どのメーカーの車がいい」などと話を始めてしまったら、とたんに話がとぎれ、無理に続けようと思ったら支離滅裂になるでしょう。

そのように、情報量が足りないと説明はうまくいきません。

このことを自覚しておくと
「説明がうまくできなかった理由は、〇〇のことをよくわからなかったのにしゃべったからだ」とわかります。

また、案外自分で情報量が足りないことに、人に説明すると初めて気づくこともあります。

うまく説明できない理由が1 話す内容の情報が足りないとわかった場合には解決法は簡単です。
・内容について知識を増やす
・「私はよくわかりません」と伝える
になります。

2 自信がない、相手の反応が悪いので焦ってしまう

さて、2つ目の「メンタル」や「気持ち」の問題です。
要するに気持ちが焦ってしまい、テンパってうまく説明ができなくなってしまう場合です。

特に相手の表情に「?」という雰囲気がある場合や



「えっ、どういう意味?」


などと言われてしまったら・・・・焦ってしまい、ますます
「あの、あの・・・つまりですね・・・」
と言いながらも頭の中がぐちゃぐちゃになってしまいます。
そして、「うまく説明する」からはほど遠くなります。

この経験が積み重なり → 自信がなくなり→「私は説明が下手だ」と思い込むようになります。

悪循環ですね。
この場合は、そんなメンタルを変えようとするよりコミュニケーションのテクニックを身につければメンタルの問題も解決できます。(記事後半でテクニックを紹介します)

3 話がまとまらない 

最後は、話がまとまらない。という問題です。
これは「うまく説明ができない」の理由の主な部分を占めると思います。
話がまとまらないと
・ダラダラと話が続き長くなる
・話が飛んでしまう
・自分でも何を言っているのかわからなくなる
・重要なこととささいなことが混ざる
などということが起きてきてしまいます。


このような状態になった結果、前述した2 相手の反応が悪く焦ってしまうわけです。
つまり、「話がまとめられる」ようになると2 相手の反応が悪く焦ってしまう問題も解決できるというわけです。

このように「話がまとめられる」ようになると、おおむね上手く説明できない問題は解決できます。


ロジカルコミュニケーションのテクニックがあれば「わかりやすく説明できる」

コツ1 頭を整理する

話がまとめられない原因は、そもそも自分の頭の中で情報が整理されていないことがあります。

ですから、整理することが「上手く説明する」ことの大前提になります。

情報を整理するとは「伝えたい情報は何個のポイントになるのか」を考えるのです。

例えば、次のような話はポイントはいくつになるでしょうか

新人の営業トレーニングですが新人とはいえなるべく早い時期から独り立ちしてほしいですし、トレーニング時間もそれほどかけられません。
ですから、プランをしっかり立て効率よく進めていただきたいと思います。
仕事は慣れることも大切ですので、それには多くの体験が必要です。
だから初期の段階では体験させることをベースに考えてます。
それが済んだら、実際の具体的な作業に落とし込んでいきたいと思います。
もちろん、仕事上の知識を学ぶ時間もしっかりとっていきたいと思います。

それらも、学んだ後には具体的な業務に落とし込みます。

これは、一見わかるようで、実は頭に残りません。
なぜなら、話はあれこれ混ざってしまっているからです。

実は、一見わかるというのが落とし穴。

「わかったような気」になってしまうのです。

それを避けるために、最初に一番伝えたいことを伝える、そして、正確に、確実に伝えていく必要があります。

この内容で「話すべきポイントはいくつなのか」を考えてみましょう。

【この話のポイント】

1 新人のトレーニングについて

2 早く独り立ちしてほしい

3 トレーニングの時間もかけられない

4 プランを効率よく進めたい

5 初期段階では体験させる

6 具体的な作業に落とし込んでいきたい

7 仕事上の知識を学ぶ時間もしっかりとっていきたい

この中で、なるべくポイント数を減らせるよう、同じカテゴリーでまとめられるところはまとめます。

そうするとおおよそ3つのグループにわけられそうです。

第1グループには「新人トレーニングを行う時の条件」

第2グループには「初期段階で行うこと」

第3グループには「第2段階で行うこと」

コツ2 予告して伝える

次に、いよいよ「説明する」ステップになります。

「上手く説明する」とは「わかりやすく」することです。
そのためには予告することが重要なポイントになってきます。

上の話の場合には
「今後の新人営業トレーニングプランを効果的に行うために、『トレーニングを行う時の条件』『第一段階』と『第二段階』に分けて説明します。」とまず最初に言うことです。

では、予告する話し方で説明をするとどうなるでしょうか。

今後の新人営業トレーニングプランを効果的に行うために、『トレーニングを行う時の条件』『第一段階』と『第二段階』に分けて説明します。

条件としては、早く独り立できるよう、しかし、トレーニングの時間もかけられないので、効率よく進めたいです。

具体的には、

第一段階では実際に体験させることと商品知識を身につけさせることをします。
第二段階では体験させることと学習したことそれぞれの具体的な作業に落とし込んでいきます。

いかがですか?
最初の説明とはまるで「わかりやすさ」が違いますね。
これが「うまい説明」といえるでしょう。

コツ3 図にする

最後に、コツとして「図にする」ことで「うまい説明ができる」ということを紹介します。

たとえばプレゼンテーションのフォーマットととして「イントロ、ボディー、コンクルージョン」があります。

それぞれの特徴を説明するのに、図にしてみます。

こんなふうに複雑な内容は図にするだけで一目瞭然となります。

逆にこれを口だけで説明しようとすると難しいですよね。

この「図にする」というは別にパーワーポイントを使わなくてもOK!です。

ちょっと何かを人に説明するときには、サッとメモ用紙に手書きするだけで、相手の理解度が全然違ってきます。

図にする、ということを習慣化してみると、相手の理解が深まり、自分自身も整理され「わかりやすい説明」をすることができます。

ぜひ、試して「説明上手」になってくださいね。

「わかりやすい説明」に関してよくある質問

では、上記の他に「わかりやすい説明」についてこれまでよくいただいた質問に関してもご紹介しておきましょう。

Q1 ロジカルコミュニケーションは他のやり方とどうちがうのですか?

わかりやすい説明に関しては「PREP法」とか「5W1H」で話すと良いというアドバイスを聞きますが、これらの方法はロジカルコミュニケーションと違うのですか

趣旨を明確に話す。論理的な話し方という意味ではおおむね同じです。
ですから、それらの方法を使って話をしてもよいでしょう。

ただロジカルコミュニケーションがおすすめなのが簡単で、どのような場合にも使える点です。

「PREP法」とか「5W1H」の場合には、内容によっては「根拠」や「事例」など全てが入っているとは限りません。

その場合には、どうしたらいいのか迷ってしまいます。

一方、「その内容のポイントはいくつか?それは何か?」を考えるロジカルコミュニケーションは、どんな場合にも使えるのでおすすめです。

Q2 どうしても説明が通じない人がいます

ロジカルコミュニケーションの方法を使っても、どうしても通じない人がいます。なぜでしょうか。

話を整理して、予告をして通じない場合には、もしかすると使っている「語彙」の問題かもしれません。

例えば、専門用語を使って専門的な話をしていませんか。


この場合は、相手によっては
「これはわからない・・・」と理解をすることをすぐあきらめる場合も多くあります。
あるいは専門用語ではなくても横文字(英語)をつかう場合も拒絶反応を示される場合もあります。

わかりやすい話とは、相手が理解しやすい話し方です。

専門家以外には専門用語をなるべく少なく、また、複雑であれば骨子だけ伝えるという方法もあります。

それは、例えばロジカルコミュニケーションの予告の部分だけ伝えることです。
場合によってはそれだけすむ相手かもしれません。

なかなか通じないと感じたら、話の骨子だけシンプルに伝えてみてください。

Q3 結論を先に伝えればいいのですよね?

わかりやすい説明って、要するに結論を先に伝えるということですか

実はそうとも限りません。特に日本語と日本人の特性として「結論を先にするとわかりづらい、受け入れ難いケース」もあります。

例えば、いきなり

「部長。取引先に謝罪してもらえませんか」
と言われたらどうでしょうか?

なんの脈絡もなしで、しかもぶしつけです。

このような場合には予告がおすすめなのです。

たとえば
「部長。『S社とのトラブルが発生』し、かなりご立腹です。現在『担当者がプレゼン中で連絡がつきません』つきましてはまず『課長から取引先に謝罪してもらえませんか』」
ではどうでしょうか?(話のポイントは3つですね)これでしたら、理解しやすいし、受け入れやすいのではないでしょうか。

このように、結論というより、話のポイントを予告すること、がわかりやすい話になると思います。

以上がロジカルコミュニケーションに関してよくいただく質問です。

うまく説明をするためには、ロジカルコミュニケーションは誰にとっても、簡単にできる方法です。
ぜひ、日頃説明をする際には、試してみてください。



 

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