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人的資本経営におけるエンゲージメント向上の取り組み事例10選 

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一般社団法人コミュニケーションマイスター協会理事/ 元早稲田大学非常勤講師/ CU代表  これまで大手企業や大学などで、ロジカル・コミュニケーション、対人対応、ビジネス英語、ライティング研修などを約5000人に指導してきた。
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人的資本経営におけるエンゲージメント向上とは

人的資本経営の成功は、従業員のエンゲージメントに深く関わっています。

従業員のエンゲージメント、つまり従業員が仕事に対して熱意を持ち、会社の目標に共感し、積極的に貢献することは、企業の競争力を高める重要な要素だからです。

本記事では、人的資本経営におけるエンゲージメント向上の取り組み事例10選を紹介します。

これらの事例は、人的資本経営として様々な企業や組織が実践してきた具体的な取り組みであり、エンゲージメント向上に効果的な手法を示しています。

さまざまな業界や規模の企業が採用しているこれらの事例から、自社に適した施策を見つける参考になれば幸いです。

エンゲージメントとは

まずは簡単にエンゲージメントについて説明します。

仕事に関連するポジティブで充実した心理状態として、以下の3つがそろった状態と定義されています。

  • 活力(仕事から活力を得ていきいきとしている)
  • 熱意(仕事に誇りとやりがいを感じている)
  • 没頭(仕事に熱心に取り組んでいる)

これを測定するテストとしてはUWESが最も有名です。

UWES(Utrecht Work Engagement Scale)は、ユトレヒトワークエンゲージメント尺度のことで、世界中でもっとも広く使用されているワークエンゲージメントの測定方法です。

UWESではワークエンゲージメントの活力・没頭・熱意の3要素を17個の質問に分解し、回答によって従業員のワークエンゲージメントを簡単に測定できます。


人的資本経営におけるエンゲージメント向上の取り組み事例10選

では、経済産業省から出されている人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書 ~人材版伊藤レポート2.0~ 実践事例集(令和4年5月版)の中から「従業員エンゲージメント」の項目と紐づけられている事例10選をご紹介していきます。

*吹き出しのコメントはブログ記事製作者の見解です。

まず、10社の取り組みを大まかに分類してみると以下のような共通項がありました。

この分類と併せて紹介していきます。

従業員エンゲージメント向上事例1 アステラス製薬株式会社

経営計画で組織健全性目標を設定、社内文化やマインドセットの浸透を重視

直近の「経営計画2021」において人材に関する目標 (組織健全性目標)を設定した。

これらの目標は文化やマインドセットといったソフト面の強化を目指したものである。 

その下で、具体的なアクションとして、

社長と社員が 直接対話を行う「Dialogue with CEO」、

リーダーが社 員の質問に答える「Ask Me Anything」セッション等を開催している。 

数値目標だけでなく、ソフト面を強化したところがエンゲージメントアップにつながりそうです

報酬連動の対象を全社業績に変更、複数の部門間で協働して達成する目標の設定

部門を超えた全社的な協働を促すため、報酬に連動する目標を部門業績から全社業績へと切り替えた。 

あわせて、複数の部門間での共通目標である「Shared Objectives」を設定することで、複数の部門が互いに協力する仕組みを構築している。 

全社業績連動は、従業員ひとり一人が全社を意識し、一体感を生み出しエンゲージメントアップにつながりそうです

従業員エンゲージメント向上事例2 花王株式会社

成果の重視から挑戦の重視へ

従来は、100%達成を目指すことを前提とするKPIに基づいた目標管理・評価制度としていたが、2021年 よりOKR(Objectives & Key Results)を導入した。 

このOKRを「ありたい姿や理想に近づくための高く挑戦的な目標」として定義し、社員が自ら掲げる大きな目標への挑戦を通じて、一人ひとりが成長し、結果的に会社の成長や社会に貢献することを目指している。 

OKRでは、まず社員一人ひとりが目指す中長期的な理想の姿を描き、その未来から現在へ目標を設定することとしている。 

また、社員のOKRをグループ全体で共有し、同じ夢を持つ社員同士が部署を超えて連携できる環境を築いている。

ありたい姿や理想への挑戦目標によって、より主体的な取り組みができそうです。また、同じ夢を共有することでもエンゲージメントアップに寄与できそうです

従業員エンゲージメント向上事例3 キリンホールディングス株式会社

若手社員による組織風土変革の取組

若手社員が「挑戦志向の風土を作りたい」と、企業内大学「キリンアカデミア」を立ち上げる等、「挑戦する風土」に主体的に取 り組み、自ら学ぶ風土への変革が起こっている。 

従業員エンゲージメントの重視、役員報酬の連動

従業員の高いエンゲージメントを基に企業としての持続的な成長が実現するとの考えから、エンゲージメントスコアを重要成果指標として設定。 

役員報酬にもエンゲージメントスコアを反映させ ている。 

キャリア形成への主体的な取り組みや全社的なエンゲージメント重視の方針は、エンゲージメントアップにつながりそうです

従業員エンゲージメント向上事例4 株式会社サイバーエージェント

全社員のコンディションを毎月定量的に把握、専任者がケア 

全社員のエンゲージメント状況を毎月把握している。定性的な情報を定量的に把握し、経年分析を通じて、部署ごとの施策検討に活用している。

社員のコメント全てに「社内ヘッドハンター」が返信し、 社員が発するサインに漏れなく対応している。 

社内異動によりエンゲージメントレベルを向上

社内転職制度を設け、各事業・部門の仕事内容を社内に発信することで、社員の希望による異動を促しており、エンゲージメントが高まる社内異動も実現している

全社横断的な異動は、自分で考え、自分で選ぶキャリア形成に主体的に取り組めることになると思います。そこからエンゲージメント向上が期待できます

従業員エンゲージメント向上事例5 双日株式会社

独立起業、多様なキャリア・ライフプランの支援

「双日プロフェッショナルシェア株式会社」を2021年 3月に設立し、35歳以上の社員が、ジョブ型雇用で、 副業をはじめとする多様なキャリアパスで活躍できるよう支援している。 

同社では、就業時間・場所の制限はなく、定年を70歳 と定めている。 

また、2021年4月には「独立・起業する社員を支援す る制度」を導入し、独立・起業を企図する社員に、双 日のリソース(資金・情報・ネットワーク)を提供。 

独立・起業も含めた社員のキャリアパスを支援してい る。 

2021年4月にビジネスネットワークを構築するプラットフォームとして「双日アルムナイ」を設立し、退職後も経 済・社会活動を続ける双日OB/OG(ニチメン・日商岩井を含む)と双日役職員との人的ネットワークの形成・拡 大により、ビジネス領域の拡大を促進。 

各種プロジェクトへのアドバイス、事業創出のサポート、ファンディング先の紹介・確保、各種発表会等での審査、 セミナーや講演会の開催、双日役職員との定期・個別会談、意見交換会等を実施している。 

多様なキャリアパスは選択肢が増え、エンゲージメント向上が期待できそうです

従業員エンゲージメント向上事例6 ソニーグループ株式会社

パーパスを通じた経営と社員の対話

「クリエイティビティとテクノロジーの力で世界を感動で満たす」をパーパスとして定義しCEO/CHRO自らが パーパスを発信し、対話する機会を創出してきた。 

経営陣の業績連動報酬にエンゲージメントスコアを連動

年1回全社員にエンゲージメント調査を実施。経営陣の業績連動報酬KPIに、エンゲージメントスコアの改善度、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン、 人材育成、新しい働き方(ポストコロ ナ)などへの取組の成果を含めることで、 経営と人事戦略の連動を図っている。 

まずはエンゲージメント重視、改善を経営陣から行うことで、社全体への浸透が進みそうです

従業員エンゲージメント向上事例7 SOMPOホールディングス株式会社

社員一人ひとりの抜本的な意識改革 、 MYパーパスの追求 

パーパスを浸透させるために、社員一人ひとりの 意識改革を重視している。

経営陣自ら、従来の 「会社の中の自分」から「自分の中の会社、仕 事」という考え方のパラダイムシフトを図る重要 性を社員に発信してきた。 

加えて、人生において自らを突き動かすものは何 なのか、自分がどうありたいのかという「想い」 や人生における「使命」を表現した「MYパーパ ス」の策定を社員に促している。 

社員がMYパーパスを実現するために働くことで、 自律・自走の状態が生まれ、これがエンゲージメ ント向上につながるとの考えから、「MYパーパ ス」を軸とした企業文化変革を人材戦略の基盤と 位置付けて、実行している。 

パーパスをひとり一人がまずは言語化することで、意識改革が進むのだと思います

パーパス浸透に向けた体系的な運用

1トップからの発信(タウンホールミーティン グ)、2現場レベルでの取組実施、3エンゲージ メントサーベイの一体的な推進により、パーパス の浸透とエンゲージメントの向上を図っている。 

「MYパーパス1on1」の推進 

現場レベルの取組としては、「MYパーパス 1on1」と呼ばれる対話を実施している。 

上司はプロのコーチによる指導のもと、コーチン グ技術を習得している。部下は上司との定期的な 対話の中で、MYパーパスを共有し、MYパーパ スの中に仕事を落とし込むことで自律的な働き方 へとつなげている。 

こうした取組により、会社のパーパス浸透、及び、 3つの人材コアバリューである「ミッション・ド リブン」「プロフェッショナリズム」「ダイバー シティ&インクルージョン」を共有する人材集団 の実現を図っている。 

パーパスを設定し、その実現のために社内コミュニケーションを充実させることは大切であると思います。また トップの発進 → 現場での1on1 → エンゲージメントサーベイとPDCAを回すことでエンゲージメント向上に繋がっていくと思います

従業員エンゲージメント向上事例8 三井化学株式会社

グローバルで社員のコンディションを経年で定量的に把握 各社・組織の経営陣・人事部門がケア 

グローバルで社員エンゲージメント調査を実施し、組織としての強みや課題を特定し、グローバルでの改善施策の 実行につなげている。 

<特定された強み・課題と改善施策の例>
【強み】安全文化、権限移譲/自律性の尊重 

【課題】社員の学習及び自己開発、経営陣との対話 

【改善施策の例】「ラーニングプラットフォーム」・「社長ラウンドテーブル」の導入 

定期的にエンゲージメント調査することで、課題を発見できます

従業員エンゲージメント向上事例9 三菱ケミカル株式会社 

主体的・自律的なキャリア形成

「キャリアのオーナーシップは個人にあり、個人の多様なキャリアの価値観と、会社の戦略をつな

げた成長を実現する」という考えの下、社内公募制度・勤務地継続制度を導入した。

人材需要発生時の配置には、原則として社内公募 を活用し、部門の壁を越えて意欲・能力ある人材 配置を実現している。

公募案件に対して適した人 材が見つからない場合や事業再編時等は、会社指 示による異動を行う。 

双方向コミュニケーションの活性化

主体的なキャリア形成を支援する手段の一つとし て、上司と部下との間で双方向のコミュニケー ション(1on1等の面談)を重ねることで、より良 い選択へとつなげている。 

本人の意思に沿ったキャリア形成は仕事に主体的に取り組めるようになりエンゲージメントも向上すると思います。また、会社内全体で風通しのよい人材配置を行うことでいっそうの主体的なキャリア形成を促すと思います

従業員エンゲージメント向上事例10  ロート製薬株式会社

社会が求めるWell-beingを追求し、常に 新たな領域を開拓 

創業当時から、社会の健康ニーズをいち早く捉えて新事業領域に挑戦してきた。会社の持続的な成長のため、今後も社会が求めるWell-beingを軸に 新しい価値を創造し続けることを目指し、人財登用や育成等の人財マネジメントを体系化している。 

また、会社のパーパス「Connect for Well- being」の浸透のために、社員との対話を積極的に実施している。 

新たな価値創造を継続するために必要な人財・組織風土の醸成

イノベーション創出のために、既存の枠を超えた アクションを行う人財を重視している。 

各社員の成長に主眼を置き、各自の経歴や得意分野、キャリアビジョンを可視化するための人財マネジメントツールを導入し、現部署の枠にとどまらず、全社的視点で最適配置を促している。 

各従業員のスキルやキャリアの可視化は異動の柔軟化につながり、エンゲージメントアップにもなりそうです。

以上が人的資本経営におけるエンゲージメント向上のための各社の取り組み10選です。

各社とも人的資本経営実施にあたり、従業員エンゲージメント向上を重要視しているようです。
その具体策としては、

4 社内異動の柔軟化
5 主体的なキャリアプランの作成
6 1on1 ミーティングの実施
などがありました。

これらは総じて言うと社内コミュニケーションの活性化が土台にあるといえます。
なぜなら、それらは従業員同士の意思疎通が活発になることでこそ、それらの効果が大きくなるからです。



また、社内コミュニケーションの活性化はエンゲージメント向上そのものといってもよいでしょう。
社内コミュニケーションの活性化の施策として「円滑なコミュニケーションのスキル」についてはこちらをご覧ください。
ビジネスで必須スキル!ロジカルコミュニケーション®とは何か?

以上のような取り組みを参考にしていただき、御社の人的資本経営のエンゲージメント向上にお役立ていただければ幸いです。

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